貸切バスの予約方法は？注意点や変更・キャンセルの方法も解説

貸切バスの予約方法

ここでは、貸切バスの予約方法をご紹介します。利用距離や利用時間、見積もりの方法など前もって把握しておきましょう。

1.利用距離や利用時間を決める

貸切バスは、タクシーのように当日好きな場所を自由に走れません。安全運行のため、事前にバスが運行・駐停車できるかを確認する必要があり、運行指示書に基づいて運行しなければならないと法律で義務付けられているためです。 運行指示書は運行管理者の資格を持った者が作成します。この指示書のもととなるのが行程表です。利用距離や利用時間は、行程表作りに欠かせない要素となっています。

利用距離について

まずどこからどこまで移動するかを決めましょう。バスに乗車する出発地と、降りる目的地を指定します。目的地までどこかに経由する予定はなくても、少しでも可能性があるなら見積もりの段階で伝えておくと後々スムーズです。

利用時間について

行程表を作成する上で利用距離の次に必要なのが利用時間です。集合場所からの出発時間や目的地への到着時間、経由地への滞在時間などを決めます。貸切バスへ乗降する時間は、荷物の積載量や、途中の休憩時間によっても変わりますよね。渋滞も含め、全体的に余裕のあるスケジュールを組んでおくと安心です。

2.複数のバス会社で見積もりを取る

貸切バスを予約する際は、複数のバス会社で見積もりを取りましょう。バスの貸切料金はバス会社ごとに異なるため、1社だけの料金やプランを見て決めるよりも、複数のバス会社を比較することで自分たちの利用条件に合った車両を選べます。料金の比較はもちろん、追加料金やオプションなどのサービス内容、キャンセルポリシーも確認しておきたい項目です。

3.希望に合うバス会社へ連絡・予約する

貸切バスの予約は、見積もりを取り寄せたバス会社へ直接連絡します。見積もりメールが届いた場合は、そのまま返信するとスムーズです。電話など口頭で直接やり取りをすると行き違いが起こる可能性もあるため、メールやFAXなど形で残すやり方が良いでしょう。特に大型連休シーズンは貸切バスの予約が取りづらいため、まず電話で連絡して空きがあればすぐに予約した方が良いケースもあります。

4.バス会社から予約完了連絡を受ける

バス会社よりメールや電話、FAXなどで予約完了の連絡が来た時点で予約完了です。バス会社から運送引受書が送られてくるため、内容をよく確認しておきましょう。

運行引受書とは、貸切バスをどのように運行させるかを記載した書類のことです。詳しい行程や距離、走行時間などを算出した上で、厚生労働省が定めるバス料金の上限〜下限の範囲内に収まっているか、加入している保険とその補償内容が記されています。

5.貸切バスの料金を支払う

予約が完了したら、早速貸切バスの料金を支払いましょう。貸切バス利用時にかかる料金は、バスのレンタル料金とその他経費の2種類です。それぞれ支払うタイミングや方法が異なるため、当日慌てないためにも事前にしっかりと確認しておきましょう。

貸切バスの料金は前払い

貸切バスの料金は、バス会社と直接契約する場合でも旅行会社を通す場合でも、基本的に前払いです。バス会社によって支払い期日が異なるので、しっかり把握しておきましょう。バス料金の支払い方法には、銀行振込やクレジットカード、コンビニ決済などが多く利用されています。しかしこちらもバス会社によって異なるのでこちらも確認しておきましょう。

その他の費用は当日払い

バス利用料金には、有料道路・高速道路利用代、乗務員宿泊料金、駐車場代などは含まれていません。そのため、当日これらを利用する場合は当日精算となります。まとめて料金を支払いたい場合はバス会社に相談も可能ですが、基本的に当日実費での精算となりますので、前もって大まかな予算を把握しておくと安心です。

6.運行確認連絡をする

貸切バスを利用する場合、利用日の1ヶ月前あたりで行程内容を確定させる必要があります。バス会社と直接契約する場合は、行程表とバスの配車場所地図をご自身で作成し、バス会社へ送付しなければなりません。バス会社によっては行程内容の確認フォーマットがあるので、フォーマットが送付されたらその内容に沿って記載、返信します。

貸切バスを予約する際の注意点

ここでは、貸切バス予約の際に注意したい点をご紹介します。見積もりをしてもその場では予約にならないこと、当日かかる費用が存在することなどをしっかり把握しておきましょう。

見積もりだけでは「予約」にならない

バス会社の比較において見積もり依頼は必須です。その際見積もりを取り寄せただけでは、予約にはならないので注意しましょう。見積もりを取った時に空きがあっても、早いもの勝ちでどんどん予約が入ってきます。予約の連絡をしたらすでに満車になっていたケースはよくあるので注意してください。特に大型連休シーズンなどは予約が埋まってしまうので、見積もり金額を確認したらすぐ予約するのが良いです。

高速道路料金など含まれていない費用を確認する

貸切バスには、含まれていない費用があります。

長距離移動の際に、サービスエリアなどバスの駐車場が整備されている場所以外で駐車する場合は、バスの駐車料金も実費で支払わなければなりません。また、有料道路や高速道路を利用する場合も同様です。なお車両によってはETC車載器が付いている場合もあるので、ETCカードを利用予定の場合は相談してみましょう。

宿泊を伴う移動の場合は、運転手や乗務員の宿泊費・食費も必要です。また、オプションでバスガイドを追加するとこちらも実費となるので、しっかり把握しておきましょう。

貸切バス以外の手配は自分で行う

上述した貸切バス料金に含まれないものについては、自分たちで手配しなければなりません。例えばバスの駐車場は停められる場所を事前にピックアップしたり、駐車場利用予約も自分たちで行う必要があります。また、運転手や乗務員の宿泊・食事の用意も必要です。自分たちと同じ宿を予約するのが一番簡単です。宿によっては運転手用に安い部屋を用意してくれるところもあるため、予約の際はバス利用の旨を伝えるのも忘れないようにしましょう。

貸切バスの予約後の変更方法

貸切バスの予約が完了した後、諸事情で予約内容に変更が出てくることもありますよね。基本的に変更は問題ありませんが、項目によっては難しい場合もあるので事前に確認しておきましょう。

乗車人数や荷物の量が変わる場合

貸切バスは、車両を1台丸ごとレンタルします。そのため、車両の定員数内・トランク容量範囲内であれば、人数の増減は特に問題ありません。

しかし車両の定員数を超えてしまった場合、車両を1つ大きいサイズに変更するか、車両を2台手配しなければならなくなります。貸切バスはサイズが大きくなればなるほど、そして台数が増えれば増えるほど料金も高くなるため、貸切バスをレンタルする場合は乗車する可能性のある最大人数に合わせて選ぶと良いでしょう。

車種が変わる場合

予定よりも乗車人数が大幅に減ったため車種をワンサイズ小さくしたいなどの場合は、キャンセル期日の前後で対応が異なります。

例えばキャンセル無料期間であれば車種の変更も可能です。しかし、無料期間を超えてしまった場合、元々予約していた車種に対してキャンセル料金が発生します。貸切バスのキャンセル料は確保していた車種に対してかかるため、車種を変更する場合は注意しましょう。また、車種を変更したくてもそもそも空きがなければ変更できないため、キャンセル料がかかる期間での車種変更はあまりおすすめできません。

利用距離や利用時間が変わる場合

運行指示書作成やドライバーの乗車時間管理などによる行程変更の期日は、貸切バス利用日の6日前となっています。拘束時間や総走行距離が変更になる場合は、再見積もりが行われるため、追加分の料金を支払わなければなりません。この際、大幅に行程が変わったり都道府県から変わる場合は、バス会社から変更する必要もあります。

貸切バスの予約後のキャンセル方法

貸切バスを予約した後、やむを得ない事情でキャンセルしなければならないこともあるでしょう。その場合、バス会社によって異なるキャンセル規定に沿った請求がなされます。予約確定時にキャンセル規定の同意を求められるので、しっかりと確認しておきましょう。一般的に、利用開始日の21日前からキャンセル料を取るバス会社が多いです。

貸切バスを利用するメリット

貸切バスは、仲間内だけでゆったり過ごしたい場合や、快適な長距離移動ができる手段です。電車やバスなどの公共交通機関の場合、あらかじめ運行ルートが決まっている上に不特定多数の人と一緒に移動しなければならないため、行動が制限されています。また、特に荷物が多い場合は乗り換えや徒歩移動も億劫です。

レンタカーであればある程度自由に移動できますが、仲間内で運転手を選出しなければならないため、運転担当だけに疲労がかかってしまいます。タクシーは自由度、疲労度の面では快適ですが、その場で行き先を説明する手間がかかったり、そもそもタクシーが捕まらないなど時間がかかったりします。貸切バスであれば公共交通機関のように運転をプロに任せられ、自分たちの貸切空間で自由に過ごせるので、長距離であっても快適な移動が可能です。

貸切バスの選び方

貸切バスを利用する上でまず考えなければならないのが、バスの種類です。バスの種類によって乗車できる人数や積載できる荷物の量、さらには車内設備も異なるため、目的や利用シーンに合ったバスを選ぶ必要があります。長距離移動であれば最大乗車可能人数よりも余裕のある人数で利用したり、ゴルフ送迎や合宿など荷物が多い場合はトランクの積載量にこだわるなど、自分たちの移動に合わせて選びましょう。

貸切バスの料金の算出方法

貸切バスの料金は、2023年8月25日付で国土交通省から公示された運賃で計算されます。これは2つの要素からなり「時間制運賃（バスを何時間走らせたかにより算出）」と「キロ制運賃（バスを何キロ走らせたかにより算出）」をもとに料金が算出される仕組みです。

また、貸切バスは最低運行時間が決まっています。30分や1時間など、どれだけ短時間で利用しても【最低3時間】利用した見なされるのです。また、車庫から待機場・目的地から車庫への回送はそれぞれ【1時間】換算で、これらの合計【5時間】が利用費用として請求されるので注意しましょう。

このように、貸切バスの料金は利用時間と利用距離、その他の要素によって算出されるため、正確な料金は見積もりを取らなければ分かりません。詳しくはバス会社へ問い合わせてみましょう。

貸切バスの種類と料金目安

ここでは貸切バスの種類と料金目安をご紹介します。貸切バスの料金は車両の大きさでも変わるので、定員や目的によって使い分けましょう。

大型バス

大型バスは、最大53名〜60名まで乗車できるバスで、貸切バスの中でも一番大きなサイズとなっています。貸切バスの中ではレンタル費用が一番高いものの、大人数で利用すれば一人あたりのコストは低くなるのでおすすめです。研修や社員旅行、部活やサークルの合宿など大人数での移動手段のほか、荷物の多いスキーやゴルフ送迎にも最適となっています。

中型バス

長距離移動や宿泊旅行で荷物の多い場合に最適なのが中型バスです。快適に移動できるため、貸切バスの中でも最も多く利用されています。シート間隔も広く、テレビやカラオケなどの設備も充実しているため、移動時間が長くても仲間内でワイワイ楽しめるのが特徴です。サロンタイプのバスであれば顔を合わせてコミュニケーションもできます。一般的な定員数は27名ですが、送迎バスやスクールバスなどであれば30名以上乗車できるタイプもあるので、目的や用途に合わせて利用可能です。

小型バス

15~24名の移動におすすめなのが小型バスです。マイクロバスとは違い、シートのリクライニングができるため、観光や小旅行に最適となっています。中型バスと変わらない設備で、小回りも利くので狭い道の移動にもスムーズです。トランクは付いていますが、少々狭いため、荷物の多い移動には向きません。補助席は付いていないので、乗車人数には注意してください。

マイクロバス

できるだけ予算を抑えたい方にはマイクロバスがおすすめです。18~21名が乗車できるバスで、中型バスや大型バスに比べるとレンタル料金が非常にリーズナブルとなっています。日帰りでのレンタルや少人数の送迎に最適です。ターミナル駅までの送迎や空港送迎、研修施設や郊外の工場への送迎、定期送迎など用途に合わせた使い方ができます。

ジャンボタクシー

使い勝手が良く、近年特に人気なのがジャンボタクシーです。9名以下の少人数移動に最適で、他の車種と比べても格段に安くレンタルできます。ハイエースやミニバン、アルファードなどの車種があり、目的や乗車人数によって選べるのが特徴です。最大の特徴は広々とした車内で、荷物が多くなりがちなスキーやゴルフ送迎でも、余裕を持って移動できます。

貸切バス会社を選ぶポイント

ここでは、実際に貸切バス会社を選ぶ際のポイントをご紹介します。これらをしっかり把握しておくと、当日安心してバスが利用できるでしょう。

安全性評価認定を受けているバス会社を選ぶ

貸切バスの安全性が問題になっている今、安さだけでバスを選ぶと危険かもしれません。バス会社の良さは安さだけでは分からないため、安全性もしっかりと確認しましょう。安全対策をしっかりと行っている貸切バス会社は、国土交通省が運営する「自動車総合安全情報」のサイトで確認可能です。過去3年の間に「行政処分を受けた自動車運送事業者」を検索することで、貸切バスが安全か気軽に検索できます。

対応の早いバス会社を選ぶ

バス会社の基本情報はホームページや口コミから収集可能です。しかし、いざ貸切バスをレンタルしようとすると、さまざまな疑問や懸念点も生まれます。そのような時は、直接バス会社に問い合わせるのが確実です。とはいえ、問い合わせをしてもすぐに返信がなければ予定もうまく組めません。料金や車内の空き状況は旅行の日程に直接関係してくるので、対応の早いバス会社を選ぶのが良いでしょう。

企業規模の大きいバス会社を選ぶ

レンタル予算はできるだけ抑えたいものの、満足度の高いバス会社を選ぶ上で大切なのは価格だけではありません。実績や口コミも合わせた総合的な比較で選ぶのが重要です。貸切バスは参加者全員が楽しく快適に過ごせることも大切な要素となります。企業規模が大きいバス会社はサービス体制が整っているため、急なトラブルやプランの変更なども柔軟に対応が可能です。価格の安さだけにとらわれず、総合的な観点から貸切バスを選びましょう。

予算に合ったバス会社を選ぶ

特に社員旅行やゼミ合宿などで利用する場合、バスのレンタル費用が決まっている場合もありますよね。バスのレンタル費用を予算内で収めるためには、どのようなレンタル方法が良いかを見極めるのも大切です。予算が決まっている場合は、行程や利用時間を少し工夫するだけでも料金が抑えられます。まずはバス会社で見積もりをし、比較してみてください。

まとめ

大人数が一度に移動できる貸切バスは、社員旅行や合宿、長距離移動に多く利用されています。予約の流れや予約後の対応をしっかりと確認して、当日慌てないように行程を組みましょう。

「貸切バスの匠」は、バス・タクシー業界で35年にわたり取引を行うキャブステーションが運用しているサービスです。全国のバス会社へ直接訪問し、独自の基準で選出したバス会社が貸切バスの匠へ加盟しているので、安心してご利用できます。「簡単にバスのレンタル見積もりをしたい！」「豊富な貸切バスから最適なものを選びたい！」と思っている方に最適です。大型バスを手配する際にはぜひご活用ください。