運転手付き貸切バスの料金相場は？　メリットや注意点、レンタルの流れを解説

運転手付き貸切バスの種類と料金相場

まずは、運転手付き貸切バスの種類と料金相場について車両ごとにご紹介します。人数や移動距離、用途に合わせて最適なバスを選びましょう。

大型バス

大型バスは、定員数が53〜60人のバスです。レンタル貸切バスの中でサイズが一番大きく、研修や社員旅行、部活やサークル合宿などで多く利用されています。大人数で利用すれば1人あたりのコストが低くなるので、定員の範囲内で大人数の場合は特におすすめです。

長距離移動や宿泊を伴う移動に最適で、テレビモニターや冷蔵庫、トランクスペースやサロン席など、観光をより快適に楽しめる設備が充実しています。シート間や足元はやや狭めです。しかし車体自体が大きいので、そこまで気になりません。

中型バス

中型バスは、定員数が27人のバスです。補助席はありません。貸切バスの中でもゆったりとした乗り心地がポイントです。マイクロバスや小型バスよりも大柄なボディとトランクを装備しているため、長時間の移動でも快適に過ごせます。

テレビやDVDをはじめカラオケや湯沸かしポットもあるので、車内での過ごし方には困りません。オプションとして後部座席がサロンタイプになっている車両もあるので、仲間内で盛り上がりたいときにはぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

小型バス

小型バスは定員数が21〜24人のバスです。テレビやDVDなど、大型バスと同等の設備もあるので、観光はもちろん企業の視察研修や招待での利用にも大変便利となっています。座席レイアウトは車両によって異なりますが、定員が21名の場合、左右にそれぞれ2席ずつが4列、一番後ろには5席ある形となります。4列しかないので、比較的足場が広いです。

なお、全国的に小型バスの数は徐々に減ってきているのが現状で、車両が古く新しい車も製造されていません。もし快適さを重視するようであれば、小型バスよりもゆったり感のあるマイクロバスも検討してみてください。

マイクロバス

マイクロバスは、定員数が23〜27人のバスです。快適さでいえば大型バスや中型バスほど良くはありませんが、日帰りでのレンタルや送迎に最適なサイズ感となっています。ETCやテレビ、DVDなども備わっているので移動中も楽しめるのが魅力です。

ターミナル駅までの送迎や空港送迎、研修施設や郊外の工場送迎など、用途に合わせて柔軟に対応できるのもマイクロバスならではと言えるでしょう。

※料金は全て利用する時期や場所、移動距離や移動時間などによって異なります。

運転手付き貸切バスの料金はバス会社により異なる

運転手付き貸切バスの料金は、バス会社によって異なります。貸切バスの料金は、国土交通省が2023年8月25日付けで公示した最低金額を下回らないように、各バス会社が独自に決めた料金で計算される仕組みです。そのため、最終的な料金は実際に見積もりしなければ分かりません。出発地や距離、利用時間や利用時期など条件により料金が変動するため、複数のバス会社から見積もりを取りしっかり比較することが大切です。

運転手付き貸切バスの料金に含まれている費用

運転手付き貸切バスの料金には、以下が含まれています。

• 大型バスの貸切料金
• ガソリン代
• ドライバーの人件費
• 事故時の保険料

なお、移動距離が長い場合や早朝、深夜帯の運転が発生する場合は交替運転手が必要です。その場合は2人分のドライバー人件費に加え、宿泊を伴う場合は2人分の宿泊費・食費がかかるので注意しましょう。

運転手付き貸切バスの料金に含まれていない費用

運転手付き貸切バスの料金には、以下が含まれていません。

• 高速道路・有料道路の料金
• 駐車場代
• 有料道路通行料金
• 運転手の宿泊代

当日有料道路や高速道路を利用する場合は、当日実費精算となります。ETC機器が搭載されているバスであればETCカード精算も可能です。ただし車両によりETC機器搭載の有無が異なるため、ETCカードを利用する場合は前もってバス会社に確認しておきましょう。

運転手付き貸切バスの料金の算出方法

運転手付き貸切バスの料金は、以下で算出されます。

• 時間制運賃（バスを何時間走らせたかにより算出）
• キロ制運賃（バスを何キロ走らせたかにより算出）

時間と距離には、車庫から乗車場所までと、降車場所から車庫までの移動時間も含まれるため、例えば車庫から乗車場所が遠い場合はその分料金が高くなる仕組みです。

なお、貸切バスを1泊2日でレンタルする場合、運転手の宿泊手配（1泊2日・2食付き）が必要です。運転手1名が1日に運転できる時間や距離は決まっており、これを超えると運行の中止、もしくは交替運転手が必要になります。貸切バスを一旦返却するのではなく、運転手も現地に泊まり翌日も運転してもらう方が安くなる場合もあるので、貸切バスを利用する時間や日数に沿ったレンタルをしてください。

その他の運転手付き貸切バスの料金を決める要素

上述した時間や距離以外にも、運転手付き貸切バスの料金を決める要素がいくつかあります。予算オーバーしてしまった！などのトラブルを防ぐためにも、しっかり把握しておきましょう。

バスの種類と乗車人数

貸切バスの料金は、バスの種類で異なります。大型バスから料金が高く、中型バス、小型バス・マイクロバスの順番に安いです。なお、同じ車両タイプであっても、トイレの有無や設備の多さ、乗務員の人数や車両グレードも料金の変動に影響します。車両の希望があってもバス会社で取り扱っていない、といったケースもあるため、料金が気になる場合は事前にバス会社に確認しましょう。

時期（閑散期・繁忙期）

一般的に、貸切バスの料金は閑散期と繁忙期によって大幅に異なります。

年間を通して料金が高くなりやすいのは、夏休みやゴールデンウィーク、年末年始などの大型連休です。料金を抑えたい場合はこれらのシーズンを避けるのが良いでしょう。

曜日（平日・土日・祝日）

貸切バスの料金を決める上で、曜日は欠かせない要素です。大きく分けると、土日祝日は観光需要が高まるため、比例して料金も高くなります。1週間の内では日曜日が最も高く、土曜日と金曜日、そして木曜日と火曜日の順番に安くなる傾向です。一方、月曜日と水曜日は比較的予約も少ないので、料金が安定しやすくなっています。

出発エリア

2023年8月25日付けで国土交通省から公示された最低金額は、地方運輸局ごとに料金が異なります。同じ貸切バスの利用法であっても、近畿運輸局が最も高く、北海道は最も安いといった違いがあるのです。各バス会社ごとに設定している料金やシーズン、利用条件によっても料金が異なります。見積もりをしっかりと行い、丁寧な比較検討が不可欠です。

運転手付き貸切バスに割り増し料金が加算されるケース

運転手付き貸切バスには、割り増し料金が加算されるケースもあります。もし該当する場合は予算オーバーしないように調整しましょう。

運転手の交代が必要な場合

1人の運転手が運行できるのは、原則9時間・500km（夜間は400km）までと決められており、これを超えると交替運転手が必要となるため、ドライバーの人件費も2倍になります。宿泊を伴う場合は運転手の宿泊費と食事代が必要です。交替運転手がいる場合は2人分になります。

繁忙期に利用する場合

1月上旬〜4月上旬、6月中旬〜7月中旬、12月は特に観光需要が高いシーズンです。そのため、通常よりも料金が割り増しになります。繁忙期は貸切バスの台数や運転手の数が限られているため、料金の加算は避けては通れません。また、繁忙期は高速道路の渋滞も発生しやすく、予定より運行時間が長くなるため、追加料金が発生してしまうケースもあります。

深夜・早朝に利用する場合

料金は運転手の拘束時間によっても変動します。深夜や早朝の利用は高くなってしまうので注意しましょう。22時〜5時は深夜早朝料金となり夜間運行割り増し料金がかかってしまったり、運転手の宿泊代や交替要員が必要になったりします。時間帯を考慮することで料金が抑えられるため、できるだけ日中に移動を済ませスケジュールを組むことが大切です。

トイレ・リフトなどが付いた車両をレンタルする場合

トイレ・リフトなどが付いた車両をレンタルする場合、通常の貸切バスよりも割り増しになります。通常の貸切バスよりも保有台数が少なく、特に繁忙期や長距離移動、福祉施設での利用が重なる時期には予約が集中しやすいです。また、清掃や排水処理の手間がかかるため、通常のバスよりも管理費が高くなることも割り増し料金がかかる理由の1つと言えます。

運転手付き貸切バスのメリット

ここでは、運転手付き貸切バスレンタルのメリットをご紹介します。仲間内で運転手を選ぶ必要がないので、移動中も仲間内で楽しみたいときにおすすめです。

大型免許が必要ない

ほとんどのバス会社では、車両のみのレンタルをしていません。車両のみをレンタルする場合はレンタカー会社であれば可能です。

しかし、運転手なしで車両のみレンタルする場合は、小型バスもしくはマイクロバスに限られます。その上「中型免許（8t限定なし）」「8t限定なし中型二種免許」「大型免許」「大型二種免許」の免許を持っている方が必要です。仲間内でこれらの免許を持っている人がいない場合、免許を持っている人探しから始まります。運転手付きのレンタルであればそのような手間もありません。

プロに運転を任せられる

運転手付き貸切バスはプロの運転手に運転を任せられるので、安全で快適な移動が可能です。経験豊富なプロのドライバーが運転するため、当日事故やトラブルのリスクが軽減されます。また、渋滞を避けるルートや観光に適した道を選びながら運行してくれるので、スムーズかつ楽しく移動が可能です。自分たちで運転する場合は道に迷ってしまう心配もあります。しかし、運転手付きの貸切バスであれば土地勘がないエリアでも安心して移動できるので便利です。

大人数でも一緒に移動できる

運転手付き貸切バスであれば電車やタクシーに分乗する必要がないので、団体旅行や会社の研修などでも全員一緒に移動できます。目的地ごとに集合時間を決める必要もないので、遅れる人を待たずにスムーズな移動が可能です。また、貸切バスにはテレビやカラオケなどさまざまな設備が充実しているため、移動時間も楽しく過ごせます。

運転手付き貸切バスのレンタルの注意点

実際に運転手付き貸切バスをレンタルする際は、注意すべき点も多々あります。前もってしっかり把握しておきましょう。

運転手の宿泊場所や食事の手配は自分で行う

長距離移動で宿泊を伴う場合は、運転手の宿泊場所や食事の手配をする必要があります。

1人の運転手が貸切バスを運行する場合は、原則9時間・500km（夜間は400km）までです。これを超える場合は交替運転手（ツーマン運行）が必要となります。長距離・長時間の運転が見込まれる場合や夜行運行などの場合は、交替運転手（運転手2名分）の宿泊費用・食費を支払わなければなりません。

なお、宿泊場所や食事の手配は、基本的に自分たちで行います。手配が難しい場合はバス会社に相談すると宿泊込みのプランを提案してくれる場合もあるので、不安な場合は相談してみましょう。

バス専用駐車場の有無を確認する

貸切バスを利用する場合、バス専用の駐車場を探すのも自分たちで行います。ルートや宿泊地が決まったら、まずホテルや観光地にバス専用の駐車場があるか事前に確認しておきましょう。一般的な駐車場は、大型バスなどを停められないことが多いです。その場合は周辺に駐車場があるかを調べておくと、当日慌てずに済みます。

一部の観光地では事前予約が必要なバス駐車場もあり、特に人気観光地や繁忙期は満車になりやすいため、早めの手配が必須です。

運転手付き貸切バスをレンタルする流れ

実際に運転手付き貸切バスを利用する場合、日程・行程・人数が決まったら早速見積もりをしましょう。見積もりの場合、ネットだと24時間受け付けているバス会社もある一方で、電話で予約できる場合もあるため、都合の良い時間帯や緊急性などに合わせて使い分けるのも良いでしょう。

1．ご利用条件を入力

電話はもちろん、ネットで気軽に予約ができるレンタル会社もあります。特に繁忙期は、1カ月前であってもレンタルバスが満車になってしまうこともあるため、旅行や観光計画が決まっている際は早めの予約がおすすめです。また、予約の際は会員登録が必要になる場合もあるため、旅行出発日ギリギリではなく余裕ある日程で取り組むことが大切です。

2．料金見積もりを比較・検討

貸切バスレンタル会社から見積もりが到着したら、内容に相違がないか確認をしましょう。
人数や距離・日程など少し異なるだけで料金も変わってくるため、ここで内容に間違いがないかを改めて確認し、ミスがあればすぐに訂正してもらうようにします。

3．運転手付き貸切バスを予約

見積もりに相違がなく、内容共に納得できたら、早速予約です。予約は電話での口頭予約のほか、ネットで予約が完結できる会社もあるので、用途に合わせた方法で行いましょう。ネット予約だと24時間可能なので、忙しかったり日中に時間を作れない時は便利です。

まとめ

運転手付きの貸切バスは、仲間内でのコミュニケーションを楽しみたい時におすすめの手段です。運転手を選出する必要もなく、かつプロのドライバーが運転してくれるので、安全な移動ができます。大型バスが運転できる免許を持っていたとしても、実際に長時間バスを運転するのはストレスや疲れにもつながるので、快適な移動を実現したいなら運転手付き貸切バスがおすすめです。

「貸切バスの匠」は、バス・タクシー業界で35年にわたり取引を行うキャブステーションが運用しているサービスです。全国のバス会社へ直接訪問し、独自の基準で選出したバス会社が貸切バスの匠へ加盟しているので、安心してご利用できます。「簡単にバスのレンタル見積もりをしたい！」「豊富な貸切バスから最適なものを選びたい！」と思っている方に最適です。運転手付きの貸切バスを手配する際にはぜひご活用ください。